元教員の強み
2024年12月20日
その他よく「教員はつぶしが効かない」といいますが、決してそんなことはないと思います。一生懸命に教員をやっていた人は、修学旅行の計画、実施は「ツアーコンダクター」、部活指導は「スポーツインストラクター」、担任として悩みを解決することは「カウンセラー」、証拠を集めての生活指導は「刑事」、放送委員担当は「映像関係」、清掃活動は「清掃業」、教室環境整備は「インテリア関係」などと似た業務だと思います。そして、授業はその道の「エンターテイナー」。つぶしが効かないのは、何でも前年度踏襲で、自分で工夫してこなかった教員だけだと思います。
何しろ長時間勤務に慣れていて、忍耐力があるので、どんな仕事もこなせると思います。
私の場合は、教員から「学校公演プロデュース業」に転職しました。これをしたいと強く思って教員を辞めたわけではありませんが、いろいろな巡り会わせでこの生業に落ち着いております。
学校公演をプロデュースするにあたり、元教員というのはものすごく役立っています。まず、学校がどのような場であるとか、先生方の要求するもの、子供たちが欲していることが手に取るようにわかるからです。また、先生方や子供たちが嫌がることもよくわかります。
例えば、「ポットなどのお茶セット」を控室に用意してほしいと依頼する業者さんがいるそうです。これを頼まれると教員は「面倒くさー」と思います。まず、ポットを自分で用意するか、事務員さんにお願いしないといけません。もてなしたいという気持ちがないわけではありませんが、ただでさえ教員不足で忙しいのに、ポットを探して水を入れて沸かして用意する時間があれば、子供の日記のコメントを書きたいと思ってしまいます。忙しい事務員さんにお願いするのも気が引けます。また、体育館のステージが物置状態になっている学校も少なくありません。そのステージ上の物を業者さんが自分たちで片づけて、また元に戻すのであればよいのですが、教員側に公演当日までに片づけておくように言われると、これまた忙しい教員は「めんどくさー」と思ってしまうのです。そのようなことがわかっているので、弊社の場合には、先生方にお願いするのは、子供たちを体育館に連れてきてもらうだけになるべくしています。担当の先生は学校公演を実施する為に、実施要項を作成しなければなりません。それは避けられない作業で、1時間でできる作業ではありません。その時間の取られる要綱作成を担当者が引き受けてくれているのだから、それ以外の作業を担当の先生にやっていただいては申し訳ないと思うのです。
元教員なので、体育館のどこに椅子がしまってあるのか、放送室の機器の扱い方もほぼわかります。1人社長なので、1人で椅子を200脚並べたこともありました。そういった先生方の目線に立って公演を実施していますので、リピーターの学校様も増えています。会場下見は確実に行いますが、10分で済ませるようにしています。忙しい先生方に時間を取らせるのは申し訳ないと思うからです。
別に教員を辞めることを勧めてはいませんが、教員をしっかりと務められている人は、どこでも通用する、それくらいの自信をもってほしいと思っています。
逆に教員を適当にやっている人は、他の仕事についても上手くやっていけないと思います。そういう人が「教員はつぶしが効かない」と教員を続けていることは、子供たちにとって不幸だな、とも思います。
OJTブログトップへ→ その他 アーカイブ | 学校公演のMG企画