OJT35 本当のボランティア活動
2025年5月7日
その他教員時代にボランティア活動として、地域清掃や学校周辺の落ち葉掃き、それから部活動もボランティアみたいなものだ、と言ってやってましたが、それらはすべて本当のボランティアではないことに教員を辞めてから恥ずかしながら初めて気が付きました。「ボランティアは見返りや利益などを求めずに自ら行動すること。」と生徒たちに説明していましたが、その本当の意味が分かっていませんでした。
教員最後の年は、自転車で片道1時間半かけて学校に通っていました。すると、道に落ちているたばこの吸い殻に目がいくようになりました。「あっ、吸い殻。」「ここにも吸い殻。」「ここにも。」
一体何本落ちているのだろうと数えると100~200本は軽くありました。これ全部拾ったら気持ちいいだろうなぁ、と思いつつもそのような時間はなかったし、公衆の面前で吸い殻を拾うのは恥ずかしかったし、毎日気になりましたが拾うことなく素通りしていました。そして、次のことをほぼ考えずに教員を辞めたので、少し時間ができて、近所を散歩にまわりました。やはり、落ちている吸い殻が気になります。「これを拾うには、ごみ袋をもって、トング?」「いや、トングはいかにもゴミ拾いしてますって感じで恥ずかしいし、薄手のビニール手袋は蒸れそうで、、。」と、思いついたのが指サックでした。そしてゴミ袋は目立たないコンビニの小さなサイズのレジ袋。これで人目について恥ずかしいということはないだろう、と準備ができました。
いざ外に出てみるとやはり人目が気になります。しかし、人目を気にしつつ吸い殻を拾ってみると、「んー!俺はこれがしたかったのだ!」と満足しました。吸い殻だけが気になって、他のお菓子の包み紙などはあまり気にならないのですが、素通りするのも何か人から声をかけられそうなので、とりあえず一緒に拾いました。最初はティッシュやマスクは、コロナとか風邪の菌がついていそうで、拾うかどうか迷いましたが、もう慣れてしまいました。しかし、汚物の入った袋やペットボトル、缶は基本的に後始末が大変なので拾いません。家の周りを半周するとすでにレジ袋いっぱいになり達成感はありつつも、やり残した感が残り、次回からはDaisoでLサイズのごみ袋を買って使いました。
とにかく自分がやりたいからやる。それがボランティアだと気づきました。災害地のボランティアに参加している人も、きっと義務感とか感謝されたいとかそういうことではなく、困っている人がいたら自分にできることを何かしたい。ただその思いからの行動なので、見返り、報酬、感謝などは考えもしない、それが本当のボランティアなのだと思います。
落ち葉掃きのボランティア活動があると、「生徒も参加するから、行くかぁ」という気持ちでしたが、真のボランティアは、学校周辺の落ち葉が気になって、気になって拾いたくなった生徒がいて、落ち葉掃きを始めて、それを見た生徒が「私もやりたい!」と参加していくものだと思いました。
部活の生徒に「落ち葉掃きボランティアがあるから、それに参加してから部活に来なさい。」とか、クラスの生徒に「地域清掃ボランティアがあって〇〇は参加するんだって。君は〇〇の友達だから当然参加するよね?」みたいに冗談ぽく促して言っていた自分はボランティア活動をはき違えていました。
ただ「落ち葉掃き」や「地域清掃活動」は、報酬や利益が無くともやりがいのあるものがある」ということを子供たちが学ぶ上では良い活動かもしれません。ただ「ボランティア」という言葉を使うのは違うかな、と今は思います。
ということで、ゴミ拾いをしていると、特に年配の方から「ご苦労様です。」とか「ありがとうございます。」と言われるのがとても恥ずかしいです。こちらは好きでやっているのですから。最初は苦笑いして会釈をしていましたが、最近は「暇なので(笑)。」と答えています。すると、ほぼ確実に「いやぁ、なかなかできることではありません。」と返ってきます。
最初は人目が気になりますが、やりだすと案外できるものです。
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