OJT37 学年主任の心得
2025年5月27日
その他学年主任を初めて任命されたときは確か40歳くらいだったと思います。まず初めに考えたのは自分が学年に担任として所属していた時に嫌だったことを無くそうと考えました。いちばんはやはり「長い学年会」。みんなであーでもない、こーでもないとまとまらない話をしたり、次の道徳や学活は何をする?などの話題で大量の時間が使われ、気が付けば部活にも行けない、17時をゆうにまわっている、、。あれが本当に苦痛でした。かといって、学年会を月1回に減らしたりすると教員全体の足並みがそろわなくなったり、先回りの指導ができなくなり、後手後手となり苦しくなります。だから学年会は週1回実施しましたが、かかっても1時間以内で終わるように工夫しました。
まずは1~2か月分の予定表を配るときに学活、道徳、総合の時間など全て埋めて空欄なく提案しました。その当面の2週間くらいを詳しく打ち合わせて、あとはなんとなく見ておいてもらう。そして、先の予定に関しては微調整をしていく。
それから各クラスの状況報告も時間がかかります。6クラスあったら、順調なクラスは「特にありません」で済ませればよいのに担任の先生は必ず何か話さなければならないと思い、よくしゃべります。各学級の報告も時間が取られますので、事前にパソコンの学年会の資料に重大案件のみ記入してもらい、みんなで詳しく共有する必要のあるものだけ話してもらう。そして、学年会終了の時刻になったら、よほど重大ないじめ案件などがない限り、延長しない。学校の会議の時間は本当にルーズだと思います。開始時間は遅れて当然、終了時刻もこれしかり。それを必ず時間通りに始めて時間通りに終わらせる。
①「学年会を簡潔にする」これが学年のみんなのやる気を損なわない、いちばん大切なことだと思います。
次に最初の学年会で②「全クラスが共通して足並みそろえる事柄を示す」ことが大事です。
朝の登校から、朝学活、授業、休み時間、給食、掃除、帰りの学活、放課後までの子供たちの学校生活をシュミレーションして、これは全クラスで統一したいと思うことを列挙して、一つ一つ確認します。例えば、上履きのかかとに名前を記入させる。これは、勤務校が荒れた学校だったので、最初の学年会で「上履きに名前を書いたら、上履きを隠されたりするからいかがなものか?」と反対されたことがありました。荒れている学校なので遅刻者や早退者も多く、かかとに名前が書いてあると、誰がいないなどすぐに把握できるので譲れないポイントでした。授業からいなくなった生徒も適当に下駄箱に上履きを入れて家に帰ってもすぐにわかります。そこで、「みんなの力で上履きを隠すような生徒には育てないようにしましょう。」「もし隠されたら、みんなで探してあげられるような思いやりのある学年にしましょう。」ということで、各クラスの共通認識事項となりました。上履きのかかとの記名ってかなり重要ですよね。上履きのかかとを踏んでいる生徒は、「上履きにダメージを与える<かかとを入れるのがめんどくさい」という、価値観が普通と変わってきている兆候で心がマイナス方面に動いていることがわかります。
それから帰りの挨拶をしてから、各自の椅子を机に上げるという点もこだわりました。最後の挨拶を椅子を上げながら、ガチャガチャする中、適当だったり、きちんとした生徒たちがダラダラと椅子を上げる生徒を待って挨拶するというのが、雰囲気がしまらず、とても嫌でした。挨拶をするなら、心を込めて全員でしっかりしないと意味が無いと思ってました。
そのような自分が担任をやっていたときに、良いクラスにするための要素だと思う点は、そろえてやってもらうように各担任に共通認識事項としてお願いをしました。共通認識事項をしっかり担任の先生に実行してもらうと自分が担任をしていた時のようなクラスに全てのクラスがなります。学年主任が全クラスの担任のようになるのです。
それから大事なことは、学年の先生を③「頭ごなしに否定してはいけない。」ということです。教員はどんなに若くてもそれぞれプライドをもっています。いくらとんでもないことをしでかしても、それを完全否定すると反発します。それ以降、主任の言うことを聞かなくなることもあります。1人聞く耳を持たない先生が出ると、そこから学年が崩れていきます。だから、大変ですが相手を認めつつ、言うことを聞いてもらうようにもっていかなければなりません。このあたりは非常に難しいので、当時よく「なぜこの人の話を人は聞くのか」とか「リーダーに必要な50の資質」みたいなビジネス書を読みました。いかに相手を不愉快な気持ちにさせず、言うことを聞かせるかがとても大事なことだと思います。万が一、これは許せない!と思う案件が生じた場合は、どこかの教室で1対1で話し合い、その時も怒鳴ったり叱責したりせずに冷静に話し、それでもわかってもらえないときには諦めます。そして、話が分かってもらえる先生にこんなことがあったので、〇〇先生のクラスの様子を気を付けて見てほしいなど援護をお願いしておきます。
副担にまわり学年主任を任されたときには、「担任がやりたいんだよねぁ。」と少し残念に思いましたが、学年主任は全てのクラスに自分の考えを浸透させることができるので、全クラスの担任のようで、考えようによっては良いかもしれません。より多くの子供たちに影響を与えることができます。中学校であれば学校の1/3の子供たちに直接的に関わることができます。その点、1担任よりもやりがいがあるかもしれません。
自分の経験から、
①学年会は1時間以内で完結に
②共通認識事項を最初の学年会で確認
③学年の先生を頭ごなしに否定しない
ことが学年主任として上手くやっていくコツだと思います。
それから学年に仕事のできる先生がいたら、常に相談して何でも根回ししておくと、力強い味方、サポーターになってくれます。
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