OJT38 問題行動 たかが茶髪、されど茶髪
2025年5月31日
その他多くの中学校で、「茶髪、ピアスは禁止」という校則があると思います。多様化の時代にこの校則の存在が是か非かという議論は置いといて、社会では決まりやルールを守らなければならない、という視点での話です。
「茶髪禁止」という校則がある学校で茶髪にして登校すると、髪を黒く染め直してから登校しなさい、と家に帰されます。または、空き教室で、事情を聴いてその日は別室で過ごし、後日髪を染め直して登校しなさいとなります。決まりを破っているのに普通に教室に入れて授業を受けさせることはまずありません。それをしたら、全生徒にこの学校はルールを破っても許される学校だと広まり、秩序が崩壊し、学校として機能しなくなるからです。
茶髪にしてくると、「どうした?」「なんで茶髪にしたのか?」「校則違反とわかっているのになぜ茶髪にしたんだ?」と聞きがちですが、それは愚問です。なぜなら本人も理由がよくわかっていないからです。茶髪にすると学校に来れなくなったり、先生に呼ばれたり、とても面倒くさくなることは生徒も理解しています。本当に茶髪にしてカッコよくなりたいとの理由であれば、茶髪にして学校には登校しません。自分の希望を叶えて、学校には通わず、自由な生活を送っていることでしょう。
では、なぜ茶髪にして学校に通ってくるのか?それは本人も気づいていない深層心理からのSOSだからです。自分では解決できない家庭、進路、人間関係などの悩みがあり、誰かに聞いてほしい、助けてほしいという気持ちが本人の気が付かないところ、深層心理で茶髪にするという問題行動を選択させているのです。
ですから、この茶髪を指導してあげないと、問題行動は先生が注意して本気で向き合ってくれるまでエスカレートします。
茶髪→ピアス→化粧→異装→授業エスケープ→喫煙・飲酒→生徒間暴力・破壊行為→不純異性交遊・家出→対教師暴力
最後は教員が怪我をさせられることになります。
そうなる前に、茶髪やピアス、スカートの丈が短いなどの軽い事象から「ダメなものはダメです。」「校則が嫌なら、改善策を作り、生徒会に提案して変えればいい。それもしないなら、ピアスが許可されている学校に転校すればいいんじゃないの?」と、とりあえず今あるルールを守らせて、それから「最近どうしたの?」「何か自分の力ではどうにも解決できないような悩みがあるんじゃないの?」
と聞いてあげる。問題行動で自分の悩みを訴えかけるのをやめさせて、部屋で落ち着いた状態で悩みを聞いてあげて一緒に考え、解決してあげるのがベストだと思います。なかなか悩みを打ち明けないかもしれないですが、教員が自分の悩みを聞いてくれる存在だということは生徒に伝わるはずです。
急に茶髪にしてくるのには、「きっと悩みなどがあり、自分でもコントロールできない心の現れなんだろう。」と思ってあげることは大事ですが、どんな理由があっても「ルール違反はダメだ」ということをまず教えてから、悩みを聞いてあげた方が、その生徒の将来の為にもなると思います。大人になって、むしゃくしゃして物を壊したら、どんな理由があろうとも弁償しなければなりません。
問題行動には初期対応がとても大事だと思います。指導は時間も取られ、とても面倒くさいですが、見て見ぬふりは、最後は「生徒に殴られる」までエスカレートします。
ちなみに私は暴れている生徒がいるので応援を!と呼ばれ、生徒を押さえつけるという経験が何度もありましたが、生徒に殴られたことは1度もありませんでした。柔道2段ということも関係あるかもしれませんが、周りの先生が殴られても私には生徒たちは手を挙げることはありませんでした。どんな些細なことも見逃さずに「ダメなものはダメだ」と生徒全員に伝えてきたので、この先生を殴ったらさすがにマズいレベルだ、と思われていたのかもしれません。とにかく、たかだか茶髪やピアスでうるさく言っていたので、対教師暴力までエスカレートすることなく25年間平和に教員人生を過ごすことができたのだと思います。
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