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OJT14 荒れている学校を立て直す方法

2024年8月16日

その他

学校が荒れていると、空き授業は校内の巡回や授業を抜け出した生徒の捜索などに時間が奪われます。放課後は保護者を呼んで話をしたり、問題を起こした生徒の聞き取り、指導などでこれまた時間を取られ、もうどうしようもないくらいに疲弊し、辛くなり、もうこんな思いはしたくないと誰もが思います。

そのような学校を立て直すには、年度初めの区切りの良い時から、「時間と言葉遣い」を徹底して指導することが肝です。OJT2で触れていますが、この2点を守らせることができれば、子供たちは落ち着いた学校生活を送るようになります。3年生だけが荒れていて学校が大変になっていた時には学校を落ち着かせる大チャンスです。

同時に気を引き締めないと、3年生が好き勝手なことをしていたのを下級生は見ていたので、変貌し、大ピンチに陥るときもあります。

年度の途中で荒れた状態を何とか落ち着かせたい時には、環境整備が有効です。荒れている学校は大抵、廊下にゴミが落ちていたり、廊下の壁に足跡が付いていたりして、汚くて暗いです。

そこで「廊下のペンキ塗り」です。犯罪の多かったNYの地下鉄構内をペンキを塗ってきれいにしたら、犯罪率が激減したというアレです。

廊下の壁を白いペンキで塗ると廊下は見違えるほど明るくなり、子供たちはみんなびっくりします。新聞を廊下の端に敷き詰め、養生テープを張り、用務員さんからペンキとローラー、ハケを借りて取り組みます。夏休みに部活や有志の生徒たちと一緒に塗ったこともあります。服がどう気を付けてもペンキだらけになってしまうので、捨てる予定のTシャツなどで取り組まないとまずいことになります。間違っても学校のジャージで取り組ませてはいけません!生徒たちもペンキ塗りなど初めての経験なので結構楽しんで取り組みます。また、廊下が見違えるように明るくなると達成感を感じるようです。

そんなきれいにした真っ白い廊下に、すぐに上履きの裏で足跡をつける許せない輩が現れます。怒り心頭ですが、そこはグッと抑えて、学年集会で自分の「怒り→悲しみ」を淡々と伝え、また放課後にでも塗り直します。それを折れずに続けることが大事です。NYの地下鉄も塗っても塗っても落書きされたようです。それでも根気よく塗り続けて平和を獲得したようです。

学校や学年が荒れていたとしても、原因となっている生徒は10%もいません。あとの20%がなんとなく付き合っていい加減なことをしている。残りの70%は落ち着いた環境で勉強したい、みんながルールを守って、ずるい人がいない、正義が通る生活を望んでいます。荒れていると、どうしても問題行動を起こす子供に目がいってしまいますが、その他の真面目な大勢多数に目を向けるのです。塗りたてのきれいな壁にわざと足跡をつける生徒がいても、塗り直すことを繰り返していると、わざとよごした生徒を許せなくなり、勇気を出して教えてくれる生徒が出てきます。そして、そのうち皆の目があって、壁をわざと汚すことができなくなります。ヤンチャな生徒もまわりには嫌われたくありません。突飛なことをすると周りが騒いでくれるからやってしまう。周りが冷ややかな目で見ればやりません。

とにかく、荒れて成すすべがない、万事休すと思ったら、まずは「廊下のペンキ塗り」から始めてみてください。案外、楽しいですよ。

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