OJT28 道徳の授業
2025年3月18日
その他道徳の授業は苦手意識があったり、めんどくさい、つまらないという意識がある人も多いかと思います。私もそうでした、、。そもそも自分が教員になりたての頃、道徳の時間は学活などが割り当てられて道徳の授業なんてやっていませんでした。いじめなどが社会問題になると、道徳の授業をしっかりやらなければならないということになり、道徳の教科書を使って「友情」「家族愛」「命の大切さ」「愛国心」など24項目を1年間で扱わなければならなくなりました。「道徳なんて、人生の中で自然と学んだり、家庭で学ぶものだ。教科書から学ぶものではない。」と最初は思っていたので、教科書の内容もそそられる話がほとんどなく、道徳の時間が苦痛でした、、。
しかし、ある道徳推進校になっていた学校の研修会で講師の先生が「道徳には正解がない。どんな意見も正しい。」「道徳のワークシートに何も書けなくてもいい。子供たちが授業中に考えることが
できればそれでよい。しっかり考えられていても文にできない子供もいる。」「道徳は評価を付ける必要がない。評価はできない。」と言っていたことに、「へ~。なるほど。全て正解という考えが面白い。」と思うようになりました。最後の「道徳は評価する必要がない。」は最近評価するようになり、「おい!前に言ってたことと違うじゃないか!」と思いつつも、まぁ、決まった文を選んでコピペするだけだからいいか、と思えるようになりました。
子供たちの意見は全部正解なので、授業としてはとてもやりやすい!子供が意見を言った後、「そうだね!そういう考え方、確かにあるよね!」「そうだよね。主人公はそう感じているよね。」
もう全ての答えに「そうだね!」と肯定できるのが素晴らしいです。たまに反社会的な意見や、ひねくれた意見を言ってきた場合は、「え~!?う~ん、そういう考えもあるかな。ある?あるよね。」みたいに言うと、周りがくすくす笑い、「いや、それはどうなんだろ?」という雰囲気になります。子供たちもいろいろな友達の意見が聞け、自分には思いもつかなかった意見を聞くことが楽しくなり、自分の意見を伝えると友達や先生が共感してくれるので、自分の意見を言うことが楽しくなるようです。
他の授業もそうですが、道徳の授業も導入「最初の発問」が重要になると思います。指導書に載っている発問よりも子供たちがより身近に感じられるものが見つかればそちらの方が絶対に良いです。例えば項目「優しさ・親切心」であれば
「この前、私がみんなの重いワークを集めて6クラス分2階から階段上って3階の〇〇教室に運ばなければならないとき、あと5往復するのかぁ泣と思っていると、〇〇さんが『先生、運びますよ!』と手伝ってくれてほんとに助かったし、嬉しかったなぁ。」「みんなも、そういう誰かに助けてもらった、優しくしてもらって嬉しかった経験ある?昔の話でもいいよ。ちょっと考えてみて。部活中とか家のできごとでもいいよ。」
将来の夢なら、「実は私、先生の他にも夢があって映画監督になりたくて、アメリカに行ったり、おもちゃのバンダイとか東宝とかの入社試験受けたことがあって、、。今も夢があって、オーロラを見に行くことで…。夢って公言した方が実現するらしいよ。私の夢は歌手です!って言うと応援してくれる人と、「お前になれるはずがないだろう」とバカにする人も出てくるよね。応援されたらやる気になるし、馬鹿にされたとしても「きっと見返してやる!」とやる気になるので、どちらにしろやる気になるから、夢は周りの人に言った方が実現するらしい。今夢がある人、ちょっと手を挙げてみてくれる?」
とにかく最初の発問で子供たちが喰いついてきたら、「はい、今日の話はそんなことについて考える話です。教科書〇ページを開いて」と言って教科書を読み始めると、みんな集中して聞き入ります。
勘の良い生徒は「先生、今日は〇ページですよね。と、タイトルから「項目」を予想し、先回りして教科書を開く生徒もいます。(笑)」「君、すごいね!超能力者か?」なんて言って笑いをとることもありました。
そして、淡々と指導書に載っている発問をして、最後に担任の感想を言ったり、副担の先生や他の先生が教室にいたら、「〇〇先生、今日の話、どう思いますか?」と聞いて、振り返りを書かせて終わり。
パターン化してくると、「今日はどんな発問でいくかな?」と考え、最初の発問が思いついたら、あとは楽勝となります。「子供たちからも道徳って楽しい。」なんて声が聞こえてくるように。
そういえば隣のクラスの生徒から「先生、道徳の授業、なんかめっちゃ盛り上がってましたよね?ちゃんと授業してるんですか?」と聞かれたことがあります。「当たり前だろ!ちゃんと教科書やったから。」なんて答えることもありました。
それから副教材として、道徳ノートみたいのを買うと便利です。評価の例文がデジタルで手に入り、毎回の振り返りを書く欄もあるので、プリントをコピーする必要が無くなります。
あと3学期には、副担任も含めて、担任を入れ替えて道徳の授業をやっていました。生徒たちもいつもと違う先生の意見が聞けたり、担任もいつもと違う生徒たちとの授業でお互いに新鮮味があってマンネリ感が薄れます。また担任の空き時間ができて余裕も生まれます。
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