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OJT 41 楽しい道徳の授業

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私が教員になった頃、いじめが社会問題になって何年か経っており、子供たちの道徳観を育てることが急務だということになり、道徳が、それまでは学級活動などに振り替えられて何をやってもいいような適当な時間から教科「道徳」に変わりました。当時は『「友情」「家族愛」「社会貢献」「平和」など、そんなものは人生の中で自然と学ぶものだ。座って教科書から学ぶものではないのに、、。』『あ~面倒くさい。生徒だって当たり前のことを聞いてつまらないだろうに、、、。』と思っていました。案の定、生徒たちはつまらなそうに、眠気と戦っていて、負けて眠りに落ちる生徒も何人かいました。一応、授業と同じように「眠いなら顔を洗ってきなさい。いいから、いいから。誰だって眠い時はあるから。」と授業と同じ対応を取っていましたが、「これだけ楽しい仕掛けを仕込んでいるんだから眠くなるなんてあり得ないだろ!」という授業とは違って、「そうだよな。つまらないよな、、。眠くなっちゃうよなぁ。」と思いながら道徳の授業に取り組んでいました。

そこで取り入れたのは、映像でした。文字ばかりの教科書から「命の尊さ」に感動して、学ぶのは至難の業、、。優れた映像なら!」と思い、それからは毎日テレビ番組をチェックし録画し始めました。「プロジェクトX」や「アンビリーバボー」は時々、涙なしには見られないような内容があって、道徳の授業にもってこいでした。それから「もしも世界が1つの村なら」というDVDも自腹で購入しました。「世界平和」や「国際理解」という項目にピッタリとあてはまりました。

しかし、毎回、道徳の項目にあてはまる動画が用意できるものではなく、また常に道徳の教材を探している自分に疲れてきてしまいました。生徒たちは前よりは道徳の授業に喰いついてきましたが、動画が見つからず教科書とワークシートのみの授業では、皆つまらなそうな顔をしていました、、、。

転機は「道徳」の授業の評価が導入されたときでした。「道徳は答えが無い。どんな意見も間違いではない。」「ワークシートに何も書けない生徒も、深く考えたり、人の意見を聞いて、なるほどと思うことができたりしていればよい。」と聞いていたのに、「はぁ?授業中の発言やワークシートから評価しろ???どういうこと?」と思いましたが、やると決まったなら仕方がないということで、学年や学校では、教科書を毎回使って、道徳項目を週1回計画的に進めていく、ワークシートを毎回準備するのも担当者が大変になるので、道徳のワークを購入しようということになりました。

「つまらなかろうが、もう淡々と教科書を進めていくしかないな、、」と思っていました。教科書の進め方は指導書にある、導入の発問→内容に関する発問→生徒たちの授業の感想→教員の感想が基本でした。マンネリしないように、たまに副担の先生にも授業に参加してもらい、最後の感想を言ってもらったり、道徳の授業を学年の教員でローテーションで回して、毎週先生が変わった方が生徒たちも飽きないだろうという工夫もしました。そんなふうにこなしていたある日、教室へ向かう階段で、導入の発問を見ていた時に、「指導書にある今回の発問じゃあ、生徒たち喰いつかないよなぁ、、、。そうだ、こういう風に変えてみよ。」と思いつき、やってみました。すると、意見が出る出る、生徒の目は輝き、いつもの死んだ魚のような目ではなく笑いも起こる。

確か、「優しさ」を扱った題材で、2,3日前に、6クラス分のノート2冊、ワークを添削の為に3階から2階の部屋に運ぼうとしていた時に、ある生徒が「先生手伝いましょうか?」と言って、手伝ってくれたことを話し、その時に何の見返りもないのに、私を手伝ってくれた気持ちに本当に嬉しくなった、ということを臨場感あふれるように語り、「みんなもそういう経験今迄にある?学校でも家でも、かなり昔の噺でもいいよ。」みたいな発問だった気がします。そして、一通り意見が出た後に、「今日は、そんな体験の話です。では教科書の〇〇ページを開いて。」と始めたら、残りの登場人物の心情の変化などについての発問にも意見が出て、まとめまで寝る生徒もいなく進んだのです。

「これだあ!道徳はこのパターンだ!」と思いました。教室に着くまでに生徒が興味津々で喰いつき、自分の意見を言いたくなるような導入の発問を考え付いたら、もうこっちのものでした。

ある時、道徳の授業が終わって、廊下に出ると、隣のクラスの生徒が「先生、道徳の授業、ちゃんとやってるんですか?」と聞いてきた。「ちゃんとやってるよ。なんで?」と聞くと、「だって、かなり笑い声が聞こえたり盛り上がってたから。なんか気になってしょうがなかったです。」と言ってきました。隣の学年主任とは仲が良かったので、生徒が質問してきたことと、どのように道徳を進めているか説明したら早速、採用してくれて、そのうち隣からも道徳の授業で笑い声が聞こえるようになりました。

道徳の授業が「面倒くさい」から、「どういう導入で始めようか、と考えるのが楽しくなる」と、生徒たちも週1回の道徳を楽しみにするようになってきました。道徳の授業がつぶれるとがっかりする生徒まで現れました。(笑)

道徳は「生徒たちが自分の意見や実体験を周りに伝えたくなるような発問を考えついたら、あとは指導書の発問をこなして、最後に自分の感想を伝える。」

これで自分も生徒たちも楽しい道徳の授業となります。

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